2012年9月25日火曜日

基本設計お客様レビュー


システム開発はなんとなくわかるけど、ちゃんとやったことはないからやってみたい。
・・・そんな思いを胸に転職し、プロジェクトに配属されて10ヶ月、気づけば私は基本設計書を片手に、お客様の前に座っていました。

「基本設計レビューでお客さんとこいってきて」
「え?は、はい」…何すればいいんだろ(・∀・;)

という状態だった私の基本設計レビューDone!!までのプロセスを振り返りたいと思います。




基本設計着手までの経緯

ことの発端はシステム開発の工数見積もりでした。
新規業務追加に伴うシステムの拡張要求があり、そのための仕様変更見積もりを行いました。

最終的にこうしたいので宜しくー漠然とした要求から見積もるー


この見積もりを行った時点ではまだ受注するかどうかも曖昧な状態でしたが、結果的に受注が決定し、すぐに着手指示が出ました。



準備

見積もりを行った流れから私が基本設計を行うことになり、以下のドキュメントを作成しました。


  • 業務フロー図
  • 機能一覧
  • 画面レイアウト
  • 業務ルール定義書
  • メッセージ一覧(詳細設計書だけど、想定できる部分について先に作成した。)


見積もりの段階で細かい調査を行っており、ほぼ基本設計に近い状態まで構想が描けていたこともあって、基本設計書の作成は思ったよりもスムーズに進みました。

逆に言うと見積もり時点で少し仕事をしすぎていたともとれますが、今回は結果オーライ。
着手指示から基本設計書の提示まで、初心者の私には短いと思われる期間しか与えられなかったため、見積もり時点で少々行き過ぎなまでに調査・検討を行っていたことがその後の工数を減らしてくれました。
結果、お客様へ提示するまでに必要な資料をすべて作成することができました。


お客様レビューに際し、どのようなことを考えておけばよいのか、自分だけの考えでは不安だったので、自社の有識者にアドバイスを求めました。


把握しておくこと


  • 業務フローはどうなるのか
  • 業務のタイミング、時期や時間による制約
  • 業務の前提条件
  • お客様レビューでのアジェンダ(同席するメンバと認識を合わせておく)


スタンス


  • 自分が作った資料や説明に自信をもつ
  • 間違いや指摘事項があれば素直に認める
  • わからないことがあったら素直に聞く(わかった風にしない)
  • そんな大したことじゃないから大丈夫!(構えずに、失敗を恐れずに)



本番

そしていざお客様のもとへ。
お客様は九州にいらっしゃるため、東京から九州までの出張となりました。
(出張は人生初!)



まずお客様の要件について、現在の問題点を挙げた上で説明しました。
そしてその要件を実現する方式として、基本設計の内容を説明していきました。


1.業務フローの説明


新しく追加する業務に関連する部分について、
現状どうなっているか→仕様変更後はどうなるか
という対比形式で説明をしました。

この案件で対応する業務は時期や前後の処理の流れに左右されるものなので、全体的な流れをしっかりと把握してもらうことが大切だと思い、このような説明の仕方をしました。


2.画面レイアウトの説明


画面レイアウトについてはいくつかの案を作成しており、それぞれの案についてどのような意図があるのかを説明しました。

ここではお客様の視点に近い案を選び出し、そこからさらにお客様の意図に案を近づけるというようなやりとりを行いました。
具体的にはメニューの配置や表示する項目について、どこがいいのか、何が必要なのかなどを細かく話をしました。

お客様が考える業務の視点を生で聞き取ることのできる機会として、この場はとても刺激的でした。
私が設計をしていたときには考えつかなかったことを次々と発言してもらい、そのひとつひとつを設計書へ反映させていきました。


3.制限事項の説明


新しい業務の中で「できること」と「できないこと」の説明を行いました。

当初、私は「できること」ばかり考えていました。
しかし「できること」、つまり「要件」については(よっぽどの齟齬がなければ)お客様も開発者側も把握していることであって、むしろ「できないこと」を明確にする方が大事な気がしました。
「できないこと」を明確にすることによって、「できること」の輪郭がより一層際立っていったように思います。

また、制限事項の中で、アクセス権についてもヒアリングを行い、この機能のユーザを明確にしました。

制限事項について擦り合わせをした上で、画面操作時にどのようなエラーチェックを行うのか、そしてどのようなエラーメッセージを表示するのかの詳細を話し合いました。


4.Done!!


こうしておよそ40分間の基本設計お客様レビューは終わり、この場で決まったことを基本設計書へ反映させれば次の行程へ進むことができる、という状態まで持ち込むことができました。

私が考えもしなかったようなことを聞かれたらどうしよう、なんて不安もあったのですが、説明や質問に対する答えは作成していた設計書と持ち合わせていた知識で間に合い、ほっとしました。





案ずるより産むが易し、といった具合ではありましたが、それも事前の準備がしっかりできていたおかげだと思います。
また、周囲の人にアドバイスを受け、短い時間の中で心構えができたことも成功の要因だったと思います。
(アドバイスくださったみなさんに感謝します。)



次は詳細設計。
今回ほっと一息ついて詳細設計に進むことができたように、安心してコーディング作業に進めるようにがんばりたいものです。